「海外で仕事をする」ということを肌で感じた4週間
磯田 将太様(21歳) 会計事務所
≪一日のタイムスケジュール例≫
時間 |
内容 |
説明 |
07:30 |
起床 |
朝はぎりぎりまで寝ていたいタイプなので、出社時間のわりに遅めの起床です。基本的に、毎朝晴れていて、朝が苦手な私でも気持ちよく目覚めることが出来ていました。
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07:40 |
朝食 |
スタッフの方が朝食をデリバリーしてくれます。翌日の仕事が早いからいつもより30分早くしてくれというようなリクエストができ、利便性が高かったです。足りなくなりがちな野菜を採れることも魅力の一つ。
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08:00 |
出発 |
朝食を食べたらインターン先へ出発します。オフィスまでは徒歩10分ほど、ワイシャツ一枚で軽く汗ばむ程度で、暑さはそれほど気になりません。コンドミニアムはマカティの中心地にかなり近いところにあるので、一歩出ると、出勤する人たちの流れが出来ている感じです。とても安全だと感じました。
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08:20 |
インターン先オフィス到着 |
オフィスに到着。オフィスはAyala avenueという大通りに面した自社ビルでした。マカティエリアのビルはほとんどすべての入り口にガードマンがいて、入館者を監視しています。どのビルも15メートルほどの通り抜けすらさせてくれません。オフィスで働く者としては安心です。
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08:00〜12:30 |
オフィスワーク |
基本はオフィスワークがメインでした。インターン前半は、日本企業対応の部署での仕事。仕事内容はその時期に入っている案件、そのうち上司が任せたいと思うタスク等によって左右されるので日々確定しているものではありません。会計事務所も、現地には日本人スタッフが数名という状況で、日本人のインターンは重宝されるように思います。
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12:00~13:00 |
ランチタイム |
ビルの中にカフェテリアが入っていたので、そこで済ませることもあれば、外に食べに行くこともありました。マカティエリアは非常に飲食店が充実している印象で、少し足を伸ばしてモールエリアまで行けば、飲食店はきりがないほど豊富です。
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13:00~18:00 |
オフィスワーク |
午後も同様にオフィスワークです。インターン後半は希望を伝えて、現地の税務のチームに入り移転価格の業務に携わりました。当然周りにはフィリピン人しかいない状況でしたが、みんな初めての日本人との仕事で、私にとても興味をもってくれ、和気あいあいと仕事をすることが出来ました。
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18:00 |
インターン先出発 |
基本は契約通りの18時に退社していました。インターン先によっては出退勤の時間が自由な会社もあるみたいです。コンドミニアムに直接帰るときもあれば、夕飯に誘われて外で食べてから帰ることもありました。
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19:00~21:00 |
夕飯 |
外で夕飯を一緒に食べるのは、日本人の上司の方やフィリピン人の同僚、同時期にインターンや語学学校でGrandlineを利用している方々などでした。コンドミニアムの周りにもたくさん飲食店はあり、夜はどこもかなりにぎわっています。
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21:30 |
帰宅 |
夜遅くなった時も、それほど遠くならなければ歩いて帰りました。タクシーの日本に比べて格段に安く、便利ですが、渋滞も多かったです。夜に歩いても、基本的には明るい道が多く、危険を感じたことはありませんでした。
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22:00~23:30 |
フットサル |
毎週水曜日は、体を動かすためにフットサルをしていました。他にも、バスケットボールやソフトボールなど、日本人のスポーツコミュニティはかなり多く、想像以上に体を動かす機会が作れたと思います。ちなみに、フットサルは、かなりレベルが高かったです。
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24:30 |
就寝 |
夜予定がない日は、22時頃に寝たりもしていました。ベッドが大きくて、寝るつもりなく寝転がっても、睡魔に襲われる傾向にありました(笑)。コンドミニアム内はかなりの部屋数がありますが、夜うるさくて眠れないなどということは一切なく、むしろ静かすぎて周りにだれも住んでいないんじゃないかと疑うほどでした。(まれに、休みの日の日中、斜め向かいの中国人がドア開けながら歌っていましたが(笑))
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なぜインターンシッププログラムに参加しようと思ったかを教えてください。
将来、監査法人からの海外赴任を考えており、模擬海外赴任のつもりでインターンシッププログラムに参加しました。私自身、昨年公認会計士試験に合格し、監査法人に内定をいただきました。監査法人への就職活動を通して、これから4大アカウンティングファームに求められている人材像として、会計×英語はほぼ必須だと感じました。また、海外赴任経験者が、会計士としてのみならず、人格的にとても尊敬できる人が多く、その点も海外赴任に強く興味を抱いた理由の一つです。
上記に従い、海外赴任をひとまずの目標として入所し働き始めようと考えていましたが、海外での仕事内容も分からず、漠然とした目標を持ったままでは、海外赴任者になるまでの仕事からの吸収力はさほど高くないのではないかという違和感をもっていました。そんな中で、インターンプログラムの存在を知り、目標を明確化するチャンスと感じ、飛び込んだ次第です。
今回のインターンシップの活動から習得・学んだことを教えてください。
あまり具体的ではないかもしれませんが、マニラに日本の公認会計士を持っている人が10名ほどしかいない現状を知ったとき、また同時に、その中の一人である監査法人からの赴任者の仕事ぶり、責任感を目の当たりにしたときに感じたものがあります。それは、事業会社の駐在員の会計士への期待の大きさとそれに対応する監査法人からの赴任者の知識の広さです。
フィリピンに進出している日本企業の多くは、駐在員として、技術職や営業職の人材を現地に送ります。経理などの管理系の部署からの駐在員は極めて少ないのが現状です。しかし、そうした駐在員も、本社からの指示に従い会計税務のタスクをこなさなければなりません。そのときに頼りになるのが監査法人です。駐在員の方々は、会計税務のみならず、法務や内部統制を含めた管理業務全般を監査法人に期待しています。監査法人側も、日本人の会計士が各法人1,2人の中でこの期待に応えなければなりません。従って、会計士一人一人が管理業務全般に関して幅広い知識を持ち、日本企業のサポートを行っているのです。
上記のように、赴任者に求められているレベルの高さを見られたことが、大きな学びです。
インターンシップの経験を踏まえて今後のスキルアップが必要と感じた課題を教えてください。
上記の通り、幅広い知識をつけることです。会計税務の専門家のイメージが強い会計士ですが、海外に出ると、会計士一人一人の業務範囲がとても広く、同時に日本企業の会計士に対する期待も管理業務全般に及びます。従って、これから始まる監査法人での業務において、会計税務に限らず法務人事含め、幅広い範囲に興味を持ち学んでいけたらと考えています。
インターンシップの前に事前に準備されたことなどがありましたら教えてください。
英語力の向上です。渡比前の私の英語力が極めて低かったこともありますが、9割5分以上がフィリピン人の職場において、まともに仕事をするには、最低限の英語力は必須だと考えていました。実際に、日本企業対応の部署で仕事をしているときも、日本人の上司からの指示がフィリピン人の秘書を通じて下ることもあるため、当然ですが英語力は必須でした。
英語力向上のために日本でそれほど準備はできませんでしたが、フィリピンで、インターンプログラム開始前に4週間、Grandlineの語学学校を利用しました。これが非常に効果的だったと感じています。
今回はインターンシップと合わせてマンツーマン語学留学もご受講いただきました。良かった点・悪かった点など教えてください。
指示を受け、また自分の意見を言うレベルの英会話を語学学校で身に付けることが出来たため、上記の通り、インターンシップがスムーズに行えたと感じています。また、翌週に控える移転価格に関する現地のマネージャーの方へのインタビューに向けて、インターンシッププログラム中のある週末に、マンツーマンのレッスンを受講したことがありました。このように、内容のアレンジが自由に効く授業は非常に有り難かったです。また、その授業では、専門的な単語がいくつも出てくる内容にもかかわらず、講師も事前準備を行って対応してくださり、質の高さを感じました。
一方で、自分の判断ではありますが、英語力不足を心配し、語学学校とインターンシップのプログラムを完全に分けてしまったことを、少し後悔しています。語学学校でのカリキュラムは、一人一人に付くメインティーチャーによって、個々人の英語のレベルや業務内容によってアレンジしてもらえます。しかし私は、業務で英語を使った経験がなく、結果として、カリキュラムはより汎用性のある内容を重視したものとなり、悪く言うと浅く広くという内容になってしまいました。インターンシップと同時に語学学校の授業を進めるような形でプログラムを進めていけば、実務で英語を使う場面に沿って、より効果的なカリキュラムを組んでもらえたかもしれません。
現地での生活にあたって必要となった金額を教えてください。(交通費、食費、遊興費など)
交通費(1日):
0~100ペソ。基本的には歩きで移動していたため、平日はほとんど使っていません。
食費(1日):
朝食、0ペソ。朝食はデリバリーされるので支払いはありませんでした。
昼食、100~200ペソ。カフェテリアでは100ペソはめったに行かないぐらい安かったです。
夕食、200~500ペソ。昼よりは当然高く、まれに日本食のレストランでお酒も飲んだりすると1,000ペソを超えることも。ただそれでもかなり安いです。
その他飲食費、50~100ペソ。現地職員は午後3時ごろに決まっておやつ休憩をとっていたため、よく一緒にカフェやファストフードに行きました。
遊興費:
3,000ペソ(週末、交通費含む)。遊びの内容にもよりますが、ある週末にマニラの軽井沢と呼ばれる避暑地(タガイタイ)に遊びにいった際は、交通費等含め、日帰りでこのぐらいの出費でした。
今回のインターンシップが今後のキャリアに向けていいきっかけになることを願っています。お忙しいところインタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。